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Channel: 北海道・源泉マニアの突撃入湯レポ
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【帯広市】 「森のスパリゾート 北海道ホテル」立寄り(平成29年12月再湯)

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北海道ホテル、クリックでオリジナルサイズ
2017/12/22撮
 自然林に囲まれた「森のスパリゾート北海道ホテル」が建つ付近に、旧十勝鉄道跡のトテッポ通がある。かつて、ビートの輸送を目的に大正9(1920)年に開通した十勝鉄道が走り、昭和52(1977)年に役目を終える。昭和34(1959)年まで、旅客営業も行っていた。停車場の女学校前は、現在イオン帯広店の場所にあった帯広大谷高等女学校(現在の帯広大谷高等学校)の生徒が利用していたようだ。昭和53年から遊歩道に整備されたトテッポ通は十勝鉄道の愛称から名付けられたという。
 
北海館、クリックでオリジナルサイズ北海館、クリックでオリジナルサイズ
帯広市制記念写真帖より
 北海館、クリックでオリジナルサイズ
帯広のあゆみ〈開基90市制施行40年記念〉より
 前身は、待合楼を経営していた工藤矢柄が明治32(1899)年に建てた旅館「北海舘」。明治35(1902)年、大通南8で売りに出ていた「北海舘」を小泉碧(みどり)が購入。昭和41(1908)年9月、碧が他界して、祝男(ときお)が2代目を継ぐ。昭和41(1966)年、区画整理で現在地に移転し「北海舘ホテル」を開業。戦前、碧は糠平、川湯の観光開発にも力を注いでいる。また、オソウシ温泉の起源は明治の末に、碧が温泉の権利を買ったのが始まりとか。緑ヶ丘公園は誕生に尽力した碧の名に因んで命名。昭和63(1988)年、温泉掘削を完工。祝男に後継者がいないことから、平成3(1991)年12月、「北海舘ホテル」を十勝毎日新聞社に売却し、十勝毎日新聞グループに入る。平成6(1994)年に「北海道ホテル」に改称。平成7(1995)年、アール・デコ調の新館を建設。十勝監獄建設以来となる準十勝産の赤レンガを建築に使用。平成13(2001)年6月、旧本館部分を全面改修して「ガーデンウィング」に改称。旧本館部分を大改築しリニューあるオープン。平成27(2015)年、20周年を記念しリニューアルを行い「森のスパリゾート北海道ホテル」が誕生。

・参考資料
「十勝風土記ふるさと百年」(昭和44年発行、十勝毎日出版社)
「十勝毎日新聞90年史」(平成21年発行、十勝毎日新聞社)
「帯広のあゆみ〈開基90市制施行40年記念〉」(昭和47年10月発行)
「帯広市制記念写真帖」(昭和8年出版)
◇基本データ
ロビー、クリックでオリジナルサイズ

 日帰り入浴は、カウンターで精算してロッカーキーを受け取り、退館時に返却する。
帯広市西7条南19丁目1、日帰り入浴料1000円、15時~21時
公式HP

脱衣所、クリックでオリジナルサイズ脱衣所、クリックでオリジナルサイズ
◇温泉分析書(脱衣所掲示)
温泉分析書、クリックでオリジナルサイズ温泉分析書、クリックでオリジナルサイズ左:新・温泉分析書(2017/12/22撮)、 右:旧・温泉分析書(2008/2/20頃撮)
 平成27年8月20日に作成した温泉分析書(環境科学研究所)。泉温:(動力場湯)42.1℃、pH値:8.78、溶存物質:0.635g/kg、成分総計:0.636g/kg、泉質:アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性高温泉)(旧泉質名:単純温泉)

 昭和63年掘削、深度深度1501m、当時の泉温45.3℃。「北海道地熱・温泉ボーリング井データ集~1990」(北海道立地下資源調査所)による。
◇温泉成分に影響を与える項目
・入浴に適した温度に保つため加温している。
・超音波風呂は、循環装置を使用し、衛生管理のため、塩素系薬剤を使用している。
◇内風呂(男湯)
内風呂、クリックでオリジナルサイズ
北海道ホテルHPより
主浴槽、クリックでオリジナルサイズ|寝湯、クリックでオリジナルサイズ 2008/2/20頃撮
カメラ撮影・携帯の持ち込み禁止となっているので、やむを得ずホテルHPから拝借した画像と、2008年に撮影した画像を利用する。
 タイル張りの浴室に、主浴槽、バイブラ、寝湯、サウナ、水風呂を配置している。シャワー付カラン10台、シャンプー・コンディショナー・ボディソープ完備。
・主浴槽
 ウーロン茶色透明の湯。注湯量は約15ℓ/分。知覚的には、微弱モール臭、微弱塩味。溢れた湯は排湯口に排湯している。モール系のぬるりとした浴感がある。
2017/12/22、15時00分~15分、浴槽内でORP計測。加温掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度47.8℃、pH8.5、ORP値は157mvに収束した。
浴槽:温度41.4℃、pH8.5、ORP値は188mvに収束した。
・バイブラ
 ウーロン茶色透明の湯。泡立つ気泡から香りの良いモール臭が漂う。側壁湯口から48℃前後の湯が約5ℓ/分注湯している。溢れた湯は排湯口に排湯している。
2017/12/22、15時00分~15分、浴槽内でORP計測。加温掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
浴槽:温度39.7℃、pH8.5、ORP値は189mvに収束した。
・寝湯
 ウーロン茶色透明の渦流湯付き寝湯(2人用)。側壁湯口から48℃前後の湯が約5ℓ/分注湯。微弱な塩素臭が漂う。湯底に渦流湯発生装置の吸込み口を確認。溢れた湯は排湯口から排湯している。
2017/12/22、15時00分~15分、浴槽内でORP計測。渦流湯発生装置の循環&加温かけ流し併用方式、塩素系薬剤使用。
浴槽:温度39.5℃、pH8.4、ORP値は231mvに収束した。
◇露天風呂(男湯)
露天風呂、クリックでオリジナルサイズ湯口、クリックでオリジナルサイズ 2008/2/20頃撮
 建物の壁に囲まれているので見晴らしは期待できない。濃ウーロン茶色半透明の湯。岩湯口から約20ℓ/分注湯。知覚的には、微弱モール臭、微弱塩味。溢れた湯は排湯口から排湯している。モール系のぬるりとした浴感を堪能できる。
2017/12/22、15時00分~15分、浴槽内でORP計測。加温掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度52.0℃、pH8.5、ORP値は165mvに収束した。
浴槽:温度41.3℃、pH8.5、ORP値は175mvに収束した。
◇pH-電位図
pH−電位図、クリックでオリジナルサイズ

算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
 寝湯を除いていずれも加温掛け流しで、温泉としての鮮度は普通に良好である。寝湯は渦流湯発生装置の循環&加温かけ流し併用方式、塩素系薬剤使用で、平衡系に接近している。

・主浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
 ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×8.5)×1000=440.5
 AI(△)=440.5-383≒58

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